- 私の場合、英語嫌いだったことから英語を習得できたのは比較的遅かったです。随分遠回りをしてしまいましたが、ここまで来るのに韓国語と中国語が私の友達になりました。ですから、今は後悔していません。むしろ、英語が一番初めの習得言語ではなかったことに、良かったと感じています。もちろん、今では英語も友達です。
さて、なぜ私がこのように感じ、更に英語とは別にもう一つ別の言語がとても大切なのか。
(在日の方 華僑の方 ハーフの方などを除いた)国籍も出身も日本で英語を既に習得されている方は、英語以外の言語をあまり勉強されていないと感じたからです。
なぜなら、多くの英語学習者が英語は全世界共通語だから英語が出来れば問題ないという考えを持っているからです。意識的にそれとも自然にそうなったのかは、分かりません。しかし、英語以外に手がなかなか伸びていないのが現状です。
シンガポールやマレーシア、フィリピン、では空前のアジア英語留学ブームとなっていますが、忘れてはいけないのが彼らの本当の言語、つまり、英語では無く、母国語の存在です。前者ならマレー語、後者ならタガログ語(フィリピノ語)です。彼らの母国語を話せて、なお英語も話せる方と英語には自信があるけど、これらの言葉には全く興味が無いと言う方、どちらの方が本当に現地の方に好かれて、楽しく会話ができるでしょうか?それは、間違いなく前者の方なのです。
これは、私の体験談です。韓国や中国で生活中、食堂のご飯が美味しくて、ついポロッと アイゴー アジュモニー イゴ チョンマル マシッソヨ や、アイヤー タイハオチーラと言ってしまってしまったのですが、彼女達はそんな私に、韓国・中国好きなの?・また来てね・もっと食べて・などなど積極的にアプローチしてきてくれたので、スムーズに色々な会話が出来ました。
しかし、もし私が英語でイッツ ベリー デリシャスと言っても、彼女達とはきっとこのような楽しい会話はできなかったことは、そこで見てきた光景が物語っていました。受ける印象が違うのです。些細なことですが、このズレがそこでの生活を左右していたことは事実なのです。
私たちの国に置き換えてみてもわかるはずです。日本の店員さんにイッツ ベリー デリシャスと言っても店員さんには何も響かないのです。しかし、日本語で美味しいと言われたら嬉しく思うはずです。
勿論、世界130ヵ国以上ある国の言葉、全てを覚えることは難しいことでしょう。
しかし、そこから自分がよく訪れる国や良いなと思う国、気になる国などを一つ挙げて、それを勉強して彼らと関わることで英語だけではたどり着けない景色や感覚があり、新しい発見があるのです。
そして、第三ヵ国(自分の国でもなく相手の国でもない)で、その自分が勉強している/した言語の方と出会った時の気持ちはたまらないものなのです。英語が一番とか英語だけで十分という考えでは、一つの国をしっかり・じっくり見ることはできないのです。
その国の言葉で会話をすれば、その国が近くなる。
英語だけの時代は、終わりを迎えています。
英語に他の言語を加えて、更にその国の内部に入り込もう。
さあ、次の一歩へ